脳損傷・高次脳機能障害の被害者の方とご家族へ

 交通事故で脳に損傷を負った場合、重度の意識障害で寝たきりになったり介護が必要になる方もいれば、そこまでには至らないが様々な症状に悩まされる方もいます。
様々な症状の中には頭痛やめまい、目・耳の障害、嗅覚・味覚の障害、上下肢のしびれや運動障害などの身体に現れる障害もありますが、他人からは分かりにくい障害もあります。
例えば、記憶障害、集中力の低下、作業ができなくなる、感情のコントロールができなくなる、人格の変化等が生じる高次脳機能障害はその1つです。

このように脳損傷による症状は複雑な上に、第三者には理解してもらいにくい高次脳機能障害を伴うこともあるため、様々な困難が生じる可能性がありますし、そもそもどのように進めたらよいか分からないという被害者の方やご家族の方もいらっしゃることと思います。

このページでは、交通事故で脳損傷・高次脳機能障害になった方が入通院・リハビリを受け、後遺障害等級の申請手続を経て、示談交渉(場合によっては裁判)に至るまでの高次脳機能障害の補償の流れをご説明します。

すでにご相談されたい内容が決まっている方は、次の相談メニューから選んで各ページをご覧ください。 

脳損傷・高次脳機能障害の補償の流れ

脳損傷・高次脳機能障害となった被害者の方は、次のような流れで補償を受けることになります。

  1. 脳損傷・高次脳機能障害に詳しい病院にかかる
  2. 適切な後遺障害診断書を作成してもらう
  3. 適切な後遺障害等級を獲得する
  4. 保険会社と示談交渉する(場合によっては裁判)
  5. 後遺障害に見合った慰謝料と逸失利益を獲得する

1 脳損傷・高次脳機能障害に詳しい病院にかかる

交通事故で脳に損傷を負って重度の意識障害となった場合、意識が回復するかがまず問題となります。

一定の入院期間を経ても意識が回復しない場合には、いずれかの時点でこれ以上症状がよくならない状態(症状固定)になり、後遺障害等級の申請手続に移行することになりますので、この症状固定をいつにするかを主治医と相談して決める必要があります。

この場合、後遺障害は1級になりますので、介護費用を適切に補償してもらうことが最も重要になります。
詳しくは介護が必要な状態なので適切な介護費用を認めてほしいをご覧ください。

このような意識障害がない場合でも、冒頭で申しあげたとおり、介護が必要な状態になったり、頭痛やめまい、目・耳の障害、嗅覚・味覚の障害、上下肢のしびれや運動障害などの身体に現れる障害が生じて仕事や家事ができなくなったり、記憶障害、集中力の低下、作業ができなくなる、感情のコントロールができなくなる、人格の変化等の目に見えない障害(高次脳機能障害)が生じることもあります。

京都市によれば、次のような症状がある場合には高次脳機能障害の可能性があるとのことです。

記憶の障害

  • 約束を守れない、忘れてしまう
  • 大切な物をどこにしまったかわからなくなる
  • 作り話をする
  • 何度も同じことを繰り返して質問する
  • 新しいことを覚えられなくなる

注意の障害

  • ミスが多い
  • 気が散りやすく、集中できない
  • 疲れやすい、集中力が続かない
  • 複数のことを同時にできない

遂行機能の障害

  • 約束の時間に間に合わない
  • 計画の見通しが立てられない、段取りできない
  • 臨機応変に対応できない
  • 人に指示されないと行動できない

社会的行動の障害

  • 依存的になる、子どもっぽくなる
  • 感情のコントロールができない
  • こだわりが強くなり、切替えがしにくい
  • お金を無計画に使ってしまう
  • 場にふさわしい行動がとれない
  • 無気力、やる気が出ない

交通事故後にこのような症状が生じた場合、事故による高次脳機能障害である可能性があるのですが、医師によっては事故による障害であると理解してくれないことがあります。
例えば、次のようなことを言われることがあります。

  • 画像に異常が映っていないので問題ない
  • これ以上治療することはないので病院に来る必要はない
  • 身体に異常はないので復帰すれば治る
  • 事故後は精神的に不安定になることもある
  • 高齢なので痴呆症の可能性がある

このような場合、適切なリハビリを受けるためにも、保険会社に事故による治療として認めてもらうためにも、万が一後遺障害が残ってしまった場合に証明してもらうための診断書を作成してもらうためにも、高次脳機能障害を理解してくれる病院に通院(転院)することが大事になります。
このように高次脳機能障害の病院でお困りの方は、高次脳機能障害に詳しい京都の病院が知りたいをご覧ください。

2 適切な後遺障害診断書を作成してもらう

次に、脳損傷・高次脳機能障害で適正な補償を受けるためには、被害者の症状をきちんと証明してくれる診断書を作成してもらい、適切な後遺障害等級を獲得することがとても大事になります。

診断書を作成してもらう際のには次の3つの点に注意する必要があります。

① 病院で適切な時期に適切な画像を撮影してもらう
② 家族が日常生活状況報告書を漏れなく記載する
③ 医師に充実した後遺障害診断書を作成してもらう

詳しくお知りになりたい方は、高次脳機能障害の診断書の注意点が知りたいをご覧ください。

3 適切な後遺障害等級を獲得する

診断書が完成したら、自賠責保険に後遺障害等級の申請手続をすることになります。
適切な後遺障害等級を獲得するには、各等級の障害内容を把握した上で、必要十分な資料を提出することが大事になります。
交通事故による高次脳機能障害の補償である慰謝料の額等は後遺障害等級によって決まりますので、どのような後遺障害等級を獲得するかがとても大事になります。
適切な後遺障害等級を獲得する方法について詳しくお知りになりたい方は、脳損傷・高次脳障害で適切な後遺障害等級を獲得したいをご覧ください。

4 保険会社との示談交渉(場合によっては裁判)

保険会社との示談交渉では、介護の必要がある場合にはその必要性や介護費用、介護の必要まではない場合でも仕事や家事への影響(職がない方や子供・学生の場合には将来の仕事への影響)を証明することになります。

保険会社との示談交渉で納得できる示談金が提示されない場合には、被害者の方やご家族と相談の上、裁判を起こすこともあります。

1 介護が必要な場合

高次脳機能障害の被害者の方の中には、自分だけでは生活を送れず、ご家族や職業介護のお世話にならざるを得ないことがあります。

しかし、被害者やご家族が「これくらい介護が必要だ。」と言っても、保険会社は、「そこまでの介護は必要ない。」「そもそも介護の必要がない。」などと言って、介護料を認めない傾向があります。

このような場合、被害者ご本人の日常生活での困難、ご家族の介護の負担等を専門的に証明していく必要があります。

詳しくお知りになりたい方は介護が必要な状態なので適切な介護費用を認めてほしいをご覧ください。

2 仕事や家事への影響を証明する必要がある場合

高次脳機能障害は、目に見えにくい後遺障害ですので、これによる仕事や家事への影響も第三者には分かりにくいです。

このような場合、保険会社は、労働能力の制限の割合が高くないと主張して、交通事故がなければ得られたであろう収入の補償(逸失利益)をできる限り減額しようとします。

ましてや、高次脳機能障害の被害者が職場復帰をしたような場合や減収が少ない場合には、逸失利益を大幅に減額しようとしますので、被害者側の弁護士としては、第三者からは見えにくい仕事への影響を分かりやすく証明していく必要があります。

① 会社員・公務員の場合

会社員の方が示談交渉時に職場復帰していないという場合、今後の職場復帰の可能性が問題となります。

これに対して、示談交渉時に職場復帰している場合には、現時点での減収の有無やその額、業務内容の変更や配置転換の有無、将来的に昇進昇給等で不利益を受ける可能性等を証明していく必要があります。

詳しくお知りになりたい方は【高次脳等3級】事故後復職し減収のない会社員の逸失利益を0円とする保険会社に7000万円の賠償を認めさせた事例をご覧ください。

② 事業主・専門職の場合

事業主・専門職の方が示談交渉時に事業を再開していないという場合、今後の事業再開の可能性が問題となります。

これに対して、示談交渉時に事業を再開している場合には、現時点での売上減少の有無やその額、新たに人を雇ったり外注したりしたことによる経費増加の有無やその額、将来的に見込まれる事業遂行上の不都合等を証明していく必要があります。

③ 子供・学生・若年者の場合

子供・学生・若年者の場合、将来的な仕事への影響が問題になりますが、将来のことは不確定ですので、現時点の不都合から就職への影響や就職後の業務への影響を証明していくことになります。

もっとも、示談交渉時点で就職している場合には、就職できたということになりますので、他に就職したい仕事があったのに制限を受けたのか、実際に就職した仕事の業務内容にどのような影響を受けているのか等を具体的に証明する必要があります。

詳しくお知りになりたい方は【高次脳等2級】事故後就職した被害者学生(その後退職)に自立可能と支払を拒否する保険会社に、逸失利益・介助費用等を含め1億円超の賠償をさせた事例をご覧ください。

 
④ 主婦・家事従事者の場合

家事従事者の場合、家事にどの程度の不都合が生じているかは数字に表れにくいので、家事の細かなところの不都合まで証明する必要があります。

また、子育てをしている方の場合には育児への影響、介護をしている方の場合には介護への影響をきちんと証明する必要があります。

なお、家事・育児・介護等で事故前には利用していなかったサービスを利用することになった場合、そのような事実についても証明していくことが大事になります。

⑤ 職がない方の場合

職がない方の場合、事故がなかった場合の就職していた可能性や仕事に就いた場合に生じる不都合等を証明する必要があります。

5 後遺障害に見合う慰謝料と逸失利益を獲得する

後遺障害慰謝料と後遺障害逸失利益

後遺障害の補償には、後遺障害慰謝料と後遺障害逸失利益という2種類の補償があります。

後遺障害慰謝料は、後遺症が残ったことによる精神的苦痛に対する補償です。
後遺障害等級によって決まりますので、後遺障害等級が高くなればなるほど、後遺障害慰謝料は高額になります。

後遺障害逸失利益は、後遺症が将来の仕事・家事に与える影響に対する補償です。
これも、後遺障害等級に合わせて、次の3つの数字を掛け合わせて、補償額を決めることになります。

  1. 被害者の収入(職がない方の場合は働いたら得られる見込みのある収入)
  2. 後遺障害等級に対応する労働能力喪失の割合
  3. 後遺障害が影響を及ぼす期間(労働能力喪失期間

もし、保険会社の提示を見ても、後遺障害慰謝料と後遺障害逸失利益の内訳がよく分からなかったり、内訳が書いてあっても金額の根拠がよくわからないという場合には、保険会社が後遺障害等級に見合った補償額を提示していない可能性が高いです。

後遺障害の補償の3つの基準

後遺傷害の補償にも、慰謝料と同じく3つの基準があります。

自賠責基準自賠責が定めている基準(最低補償の基準)
任意保険基準保険会社が勝手に定めた基準(自賠責基準+α程度)
裁判基準裁判所が定めた正当な賠償金の基準

特に、保険会社から次のような金額が提示されている場合には、自賠責基準の提示になりますので、ご注意ください。

後遺障害等級1級2級3級4級5級6級
自賠責基準による
後遺障害の補償額
4000万円3000万円2219万円1889万円1574万円1296万円
7級8級9級10級11級12級13級14級
1050万円819万円616万円461万円331万円224万円139万円75万円

後遺障害の補償はどの基準で支払を受けるかで、数百万円、数千万円の差が出てしまうので、弁護士に相談して裁判基準で支払を受けることが不可欠です。

後遺障害慰謝料

次の表をご覧頂ければわかりますが、後遺障害慰謝料は自賠責基準と裁判基準とでかなりの差がありますので、保険会社の提示額が裁判基準になっているかをチェックすることが不可欠です。

後遺障害等級1級2級3級4級5級6級
自賠責基準による
後遺障害慰謝料
1600万円1163万円829万円712万円599万円498万円
裁判基準による
後遺障害慰謝料
2800万円2370万円1990万円1670万円1400万円1180万円
7級8級9級10級11級12級13級14級
409万円324万円245万円187万円135万円93万円57万円32万円
1000万円830万円690万円550万円420万円290万円180万円110万円

裁判基準による後遺障害慰謝料に満たない金額しか提示されていない場合には、弁護士に相談することで後遺障害慰謝料を増額することができます。

後遺障害逸失利益

後遺障害逸失利益は、後遺症が将来の仕事・家事に与える影響に対する補償です。
次の3つの数字を掛け合わせて、補償額が決まります。

① 被害者の収入(職がない方の場合は働いたら得られる見込みのある収入)
② 後遺障害等級に対応する労働能力喪失の割合
③ 後遺障害が影響を及ぼす期間(労働能力喪失期間

したがって、被害者の方の年収、後遺障害等級が高くなればなるほど、後遺障害逸失利益は高額になります。

これに対して、保険会社は、

  1. 被害者の収入(の見込み)を正当に評価せず、
  2. 後遺障害による労働能力喪失の割合を低く評価し、
  3. 後遺障害が改善すると決めつけて、労働能力喪失期間を短く評価する

ことで、後遺障害逸失利益をできるだけ低額にし、自賠責基準に近づけようとします。

適正な労働能力喪失の割合とは?

適正な労働能力喪失の割合は、後遺障害等級に応じて決められていますので、まずこれをチェックする必要があります。
もっとも、保険会社の提示でも、労働能力喪失割合をいきなり低く評価するということは少なく、後遺障害が徐々に改善するなどと理由をつけて、数年後からの労働能力喪失割合を低く評価することが多いです。
また、労働能力喪失割合は後遺障害等級通りでも、労働能力喪失期間を短く評価することで後遺障害逸失利益を減額しようとすることがあります。

後遺障害等級1級2級3級4級5級6級
労働能力喪失割合100100100927967
7級8級9級10級11級12級13級14級
56453527201495

適正な労働能力喪失期間とは?

次の2つの期間のうち長い方を選びます。

  1. 症状固定時の年齢から67歳の年数
  2. 症状固定時の年齢から見て平均余命の2分の1までの期間(※平均余命は厚生労働省が毎年発表している簡易生命表でわかります)
    したがって、弁護士に相談することで後遺障害が仕事に影響する期間を延ばすことが可能です

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